ネットワーク上では、コンバージェンスの時間、アプリケーション特有のプロトコル要件、マルチベンダ共存環境の構築など、複数のルーティング・プロトコルが必要となる事態は避けられない。
複数のルーティングプロトコルが共存しなければならない環境では、異なるルーティングプロトコル間でのルートのRedistribution(再配送)が必要となる。
Redistributionを考える上で重要なポイントは、再配送されたルートが新しいルーティングプロトコルに入った際のseed metricである。
seed metricは通常、originateのinterfaceで生成される。
たとえば、EIGRPはmetricを設定するために、interfaceの帯域と遅延値を使用する。
主なルーティングプロトコルでは、再配布のためのデフォルトseed metricを保持する。
Infinityはseed metricが必ず設定されている必要があることを意味しており、設定されなければそのルートは使用されないということになる。
RIPへのRedistribution
redistributeコマンドか、default-metricコマンドを使用し、デフォルトメトリックを設定する必要がある。
redistribute protocol [ process-id] [match route-type]
[metric metric-value] [route-map map-tag]
matchキーワードはOSPFをRedistributionするときにルートタイプを設定できる(internal, external1, external2)。
route-mapキーワードはRedistributionされたルートをコントロールするルートマップを指定することができる。
OSPFへのRedistribution
デフォルトのseed metricは20。
Redistributionルートのデフォルトメトリックタイプはexternal type2。
– external type 1
宛先へのtotal path costをベースにmetricが計算される。
– external type 2
OSPFネットワーク内のpath costに関わらず、再配布するルータからのcostのみをmetricに反映する。
redistribute protocol [process-id] [metric metric-value] [metric-type type-value] [route-map map-tag][subnets]
サブネットはデフォルトでRedistributeされない。
サブネットをRedistributionしたいときは、subnetsキーワードを使用する。tag値ではルートを判別するためのtagを設定できる。
Redistribute Into EIGRP
EIGRPにRedistributionする場合もデフォルトseed metricを設定する必要がある。
redistribute protocol [process-id] [match {internal | external1 | external2}] [metric metric-value] [route-map map-tag]