CCIE Lab試験は、合格まで2000時間以上の学習時間と言われる難関試験であるため、学習環境の整備は重要だ。
学習環境が効率的であればあるほど、時間単位の学習量の密度は高くなり、より少ない時間で合格に近付くことができる。
LAB試験では8時間にわたり、Router、L3 Switchの実機に対して設定作業を行う。つまり、どれだけ実機の扱いに慣れているかは、成績に大きく影響する。
私の場合は、結果的にGNS3でルータが30台動くPC(MacbookPro17インチ Late2011)、Catalyst3550*1台、Catalyst3560*1台を用意した。
初回の受験まではMacの中でGNS3を起動させて学習していた。しかし、初回の受験時に自分のレベルが認定にはるかに及ばないことを認識し、catalystを購入した。
運よくスイッチ2台で合格することができたが、効率よく学習するには4台のスイッチがあるほうがよい。
学習すべき要素技術を把握したうえでの購入が良いと思うが、3560が4台あるほうが望ましい。費用を抑える必要があるのであれば、3560が2台、3550が2台というのが、現実的な構成だと考えられる。
準備すべき環境はネットワーク機器だけではない。
GNS3を動かすPCはインターネットに接続すべきではないし(ブラウジングに気持ちを割かれないように)、視界に注意を削ぐようなものは置くべきではない。学習の邪魔になるようなものを遠ざけるのは、大学受験のような試験勉強と同様である。
そのほかにも用意すべきもののヒントとして、以下のようなものがある。
私は一度目の試験のとき、散々な結果であったことは前述した。圧倒的に学習量が足りなかったことは明白で、設問の意味も正確に捉えられず、試験時間が大幅に余った。
そこで何か次回の受験に役立つことはないかと考えた。
問題を持ち帰ることはできないし、持ち帰ったところで次回に同じ問題が出るとは限らない。そもそも学習量が足りていないことは試験の時点で明白だったため、仮に問題を憶えて帰ったところで役には立たない。
結果、試験場内の環境すべてを可能な限り記憶することにした。キーボード、マウス、PC、モニタなどの型番、メーカー、サイズ。OS、ターミナルソフトの設定、デスクトップの背景、バージョン。用意されている文房具、椅子の形状、机の色、用意されている辞書のメーカーに至るまでである。
特に用意されているキーボードは、試験中、相当な負担になった。慣れないキーボードでの操作により、タイプミスの回数は何百回を超えた。緊張を差し引いても余りあるタイプミスだ。同様のキーボードを購入しても、わずか数千円の投資で、次回に向けてタイプミスを減らすことができるのであれば、相当なリターンがあると考えた。
一般的にタイプミスがある場合は以下のような行動をとることになる。
1. ミスに気づく
2. Backspaceなどで削除する
3. 打ち直す
仮に500回のタイプミスがあったとする。この一連の動作に5秒程度かかると考えると、タイプミスだけでロスする時間は約40分にもなる。
中にはEnterキーを押した後にタイプミスに気づくこともあるだろうから、ロスする時間はさらに長くなると考えられる。
環境を整えれば、確実に有利に学習できるようになる。ただし、環境を整えることが目的になってしまってはいけない。目的はあくまで合格で、環境を整えることは合格のための手段のひとつにすぎない。
何の目的で環境を整えているかを考え、その環境を整えることによって合格への距離がどのぐらい縮まるのかを常に意識するべきである。
少し題意からずれるが、試験の雰囲気をつかむことができる動画として、YoutubeにはCiscoから以下のような動画がアップされている。
この動画からいろいろなことがわかる。
・ブラウザで問題が出題されること
・端末のOSがWindowsであること
・Terminal SoftがPuttyであること
学習環境の整備に役立てば幸いである。