【CCIE Lab受験メモ1】情報収集

CCIE Labほど情報が溢れ、情報の足りない試験は、私の知る限り他にない。

情報が足りないと感じると、人は情報を集めに走る。情報集めが目的化すると、学習時間は減っていく。集めた情報がすべて正しければよいが、そうとは限らない。
過度な情報収集は避けるべきである。

 

私の場合、合格までに三度受験している。

一度目の受験では明らかに情報収集(学習内容も含め)が足りずに不合格となった。
当時、ネット上の他人の奮闘記は殆ど読まなかった。Ciscoのドキュメントのみを読み、多角的に情報を集めることは一切しなかった。何とかなるだろうと盲信していたが、見事に玉砕した。
集められる情報がもっとあったはずだと後悔し、自分の無知さ加減に絶望的になった。

二度目の受験までは明らかに情報収集に時間をかけすぎ、無駄な時間を費やしていた。
情報収集のネットワークを広げ、片っぱしから情報を集めた。無知であったことを挽回しようと、要・不要の判定をせず、内容の正否にこだわらず、とにかく資料や情報を集めた。その結果、情報を集めることが目的化し、本来の目的を見失った。
集めた情報は後に役にたつものもあったが、精査の時間は明らかに無駄であった。収集段階で目的を見失わず、精査をしていればこの無駄な時間は防げたはずである。

三度目でなんとか合格となった。
情報収集と学習のバランスを考え、多角的に集めた情報の検証を行った。検証作業を行うことにより、異なるチャネルから自分の理解を深めることができた。目的を明確化したことで、学習のサイクルが好循環に変わり、学習が苦ではなくなった。

それぞれの準備期間は筆記から一度目の間が15か月、一度目から二度目の間が10か月、二度目から三度目の間が2か月である。

振り返ってみて分析すると、一度目から二度目までの準備期間である10か月より、二度目から三度目までの準備期間である2か月のほうが、はるかに吸収力が高まっていた。得た知識の量も同等あるいはそれ以上であったと感じている。

一度目の受験から過度な情報収集に反発的に走ったことは、ある意味必然とも言える。しかし、目的を忘れて情報を収集した結果、途中からは、ダイヤモンドのように見えるゴミくずを拾っていたわけである。

これから受験を考えられている方は、過度な情報収集にはブレーキをかけるようにするのがよいだろう。
特に、技術解説の情報収集については、しっかりと注意が必要である。

ネット上に落ちている情報の大半にはどこか誤りが含まれている。すべてがすべて誤っているかというとそういうわけではないため、結局真実を見抜くのは自分でしかない。

解説サイト巡りをして知識を得て、それでわかった事にして次に進むのはお勧めできない。googleの検索ボックスにいくつかの単語を入れれば、悩んでいた答えが解決したかのような検索結果に出会うことがままある。

しかし、そのページのURLがciscoドメインのものでないのであれば、そのwebサイトに書かれた答えらしきものを鵜呑みにしていては後々痛い目にあう。

誤ったまま憶えたところで試験はおろか実戦では役に立たないし、とりあえずの気持ちで取れるほど簡単な資格ではない。技術情報はCiscoかIEEEかRFCのもので最終的な担保を取るべきだ。

個人的に参考にしても問題ないと思えるのは、各candidateたちの受験記や奮闘記である。

世界のどこかに自分と同様に苦しんでいる人がいるというのはものすごく精神的に楽になるし、勉強法などは技術と違って正解が存在しないため、参考として受け止める事ができる。

私の受験記をまとめる理由もここにある。
顔も知らない誰かの受験記に支えていただいた、せめてもの恩返しだ。
一人でも多くのCandidateのお役に立てれば本望である。その結果、ネットワーク業界が少しでも盛り上がれば、この上ない幸せである。

可能な限り参考にしていただける情報を目的とし、過度な情報収集の対象とならないよう、【CCIE Lab受験メモ】の投稿については、技術的な解説をなるべく避けることとする。

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