羽生善治著 「決断力」を読了

羽生さんが本を出されていることは以前から知っていたものの、なかなか読む機会に恵まれずにいました。

内容としては、期待以上にすばらしいものでした。淡々とした文章と、そこから読み取れるまっすぐな信念には、素直に感動しました。

私はあまり記憶力がいい方ではないため、印象に残った言葉を書き留めておくようにしておくのですが、決断力はすばらしい言葉が多すぎて、2ページにわたって書き留めてしまいました(通常は1ページです)。

なかでも、個人的に非常に心が救われたのは、「仕事に行き詰ったときほど整理整頓」という言葉です。実は、これは羽生さんのお父さんの言葉だということなので、羽生さんご本人の言葉ではありませんが、非常にすばらしい言葉だと思います。

この言葉での整理整頓とは、行き詰った仕事を整理しようという意味ではなく、一回仕事を切り上げて部屋の整理整頓をしようということを言っています。もやもやしたまま考え続けていてもいい結果は出ないので、一旦部屋をきれいにしてすっきりしてから再会しよう、ということだと思います。ありふれた言葉のようで、意外とここまでぴったりくる言葉には出会っていません。語感も完璧だし、内容も最高です。

その他にも、自分がコントロールできないこととコントロールできることを明確に分ける考え方は、まさに今、自分自身が課題としていることなのです。

人は、自分ではどうすることもできないことで悩むことが非常に多いと思います。かく言う私もその一人ですが、自分ではどうしようもないことで悩むのは時間の無駄というものです。

消費税が上がったらどうしよう。会社をクビになったらどうしよう、ガソリンの値段があがったらどうしよう、病気になったらどうしよう、どれもコントロールのしようがありません。

本書の中で再三にわたって書かれている、自分の頭で考えること。この重要性は、この変化の時代に最も問われていることではないでしょうか。

自分ではどうしようもないことに怯えて踏み出すことを止めるのではなく、自分の頭で考えて混沌の中に踏み出していくことは、これから先の自分の人生を面白く個性的なものにしてくれると思います。

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